「北欧、暮らしの道具店」流ブランド戦略とは

こんにちは、ベンチマークコンサルティングの櫻井です。

みなさんは、「北欧、暮らしの道具店」をご存じでしょうか。
最近メディアでも話題になっていますし、YouTubeでもリコメンドで出てきていて、気になっていました。

目次

クラシコムのビジネスモデル

「北欧、暮らしの道具店」は、株式会社クラシコムが運営するECサイトを中心としたライフスタイルブランド/メディアです。単なる「北欧雑貨のネットショップ」と考えるより、商品販売とコンテンツ発信を組み合わせたメディア型ECと捉えると分かりやすいです。

もともとは2007年に北欧のヴィンテージ雑貨を扱うネットショップとしてスタートしました。その後、北欧だけでなく日本や世界各国の商品へ広がり、現在は食器・キッチン用品・インテリア・生活雑貨・洋服・バッグ・コスメなどを扱っています。さらに、自社で企画・開発したオリジナル商品も大きな柱になっています。

特に面白いのは、「商品を売るためだけのECサイトではない」ところです。
例えばサイトでは、商品の横に、

  • 暮らしに関する読みもの・コラム
  • レシピやインテリアの記事
  • YouTubeなどの動画
  • ドキュメンタリーやドラマ
  • ポッドキャスト
  • 映画

などのコンテンツを継続的に発信しています。実際、運営会社自身も「北欧、暮らしの道具店」を単なるECではなく、「ライフカルチャープラットフォーム」として位置づけています。

ブランドの中心にあるのが、「フィットする暮らし、つくろう。」という考え方です。「おしゃれな北欧生活を真似しましょう」というより、他人の基準ではなく、自分にとって心地よい暮らしを見つけようという世界観です。

コンテンツを見る → 世界観が好きになる → ファンになる → 商品を見る → 購入する → またコンテンツを見に来る

という循環を作っています。
つまり、コンテンツが顧客接点と愛着を育て、その信頼が購買につながり、蓄積した顧客理解が更なるブランド構築につながる、という好循環です。

ここが重要で、商品そのものを強く売り込むより、「この人・このブランドの考え方が好き」という状態を先につくる点が特徴的です。

従来型のマーケティングファネルとは異なっていると感じます。

まとめると、クラシコムの強さは、単なる通販の巧みさではなく「世界観への共感を、物販・コンテンツ・広告支援という複数の収益源に連動させる仕組み」を持っている点にあります。

中小企業が参考にできること

「北欧、暮らしの道具店」のモデルは、中小企業にとって参考になる点が多いです。ただし、表面的に「SNSやブログをやる」のではなく、商品・サービスを売る前に、顧客との関係をつくる仕組みとして見るのが重要です。

1.「何を売る会社か」より「どんな価値観の会社か」を伝える

商品スペックや価格だけでは、大企業との比較になりがちです。「誰の、どんな悩みを解決したいのか」「どんな考えで商品を作っているのか」を継続的に発信することで、価格以外の選択理由を作れます。

2.売り込みではないコンテンツを増やす

「北欧、暮らしの道具店」は、商品紹介だけでなく暮らしそのものをコンテンツにしています。中小企業なら、例えば製造業であれば「加工方法の選び方」「材料による違い」「失敗事例」、士業なら「よくある経営相談」「資金繰りの考え方」など、顧客が知りたい情報を先に提供する方法が使えます。

3.社長や社員をコンテンツにする

中小企業には大企業にはない「顔が見える」という強みがあります。社長インタビュー、職人紹介、開発秘話、仕事へのこだわりなどは立派なコンテンツです。無理に企業を大きく見せるより、人や現場を見せた方が信頼につながるケースがあります。

これからの自社の考えや哲学、ポリシーをどう伝えるか、も重要です。

ぜひ、自社でも取り入れられる部分があれば、チャレンジしてみてください。

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